kuzukiria_blog(文学的)

読書とか、いろいろなお勉強(byウィキペディア)とか、文章(文学、芸術、哲学)とか・・・


2017-10

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「俊寛」~鬼界ヶ島の足摺男

■俊寛(しゅんかん)

【設定】】流刑地、鬼界ヶ島の秋、九月の重用の節句の日。「鬼界島」とも。太鼓なし。シテは俊寛、ワキは赦免使。世阿弥作。

【あらすじ】俊寛は、平家打倒の陰謀(鹿ケ谷の陰謀)が露見して、成経、康頼とともに鬼界ヶ島(鹿児島県の南沖、硫黄島)に流されました。成経、康頼の二人は信心深く、卒塔婆を海に流していました。それに心を動かされた平清盛は恩赦で二人を許すことにしました。鬼界ヶ島では、俊寛が水を酒に見立てて、他の二人と重陽の節句を祝い、都を偲び、流人の身の上を共に嘆いていました。そこに使者が鬼界ヶ島を訪れます。使者は赦免状を渡します。それには成経、康頼、二人の名はあるけれども、どこを探しても俊寛の名は記されていませんでした。俊寛は一人だけ許されないことを嘆きます。せめて九州まででも連れて行って欲しい、船に乗せて欲しいと頼みますが、勝手にそんなことは出来ないと断られます。気の毒に思った成経、康頼が、つれて帰るのは無理でも都に戻ってから取りなそうといって俊寛をなぐさめます。結局船は俊寛を残して去って行くのでした。

【鑑賞】「俊寛」は「平家物語」に基づく作品で、三巻の「足摺」にあたります。「平家物語」ではさらに俊寛の必死さが描かれています。

「僧都(俊寛のこと)船に取りつき、さて如何に、各々俊寛をば終に捨てはて給うか」
「僧都せん方なさに、渚に上り倒れ伏し、おさなき者の乳母や母などを慕う様に、足摺をして、「これ乗せて行け、具して行け」と宣いて、喚き叫びたまえども、漕ぎ行く船のならいにて、跡は白波ばかりなり。未だ遠からぬ船なれども、涙にくれて見えざりければ、僧都高き所に走り上がり、沖の方をぞ招きける。」



 「平家物語」といえば「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」の書き出しのように英雄豪傑の物語ではありません。また俊寛は悲劇的というには子供っぽい印象です。けれども、俊寛のこの凡庸な弱さがこの作品の魅力といっていいかもしれません。




長次郎作・黒楽茶碗──「俊寛」
三井文庫にある

千利休が薩摩の門人に、長次郎の茶碗を三個送ったところ、一つを残して二つを送り返してきたので、この平家物語に基づいて、利休が「俊寛」と名づけたということが、書付として茶碗の箱に添えられているというもの。



 | HOME | 

FC2Ad

 

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

[ベケットギャラリー]

(ベケットの戯曲の抜粋ランダム)

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー

全ての記事を表示

→全ての記事を表示

最近の記事

『失われた時を求めて』のお気楽読書のーと⑤
『失われた時を求めて』のお気楽読書のーと④(読書法のこと)
『失われた時を求めて』のお気楽読書のーと③
『失われた時を求めて』のお気楽読書のーと②
『失われた時を求めて』のお気楽読書のーと①
ipodが壊れて買ったにっき
老子の読書めも②
リヴァイアサン読書メモ2(感覚、造影について)
贈り物には羊羹・贈り物には羊羹・贈り物には羊羹
氷が手に着くのは何でなのかな
ラジオのジャズのこと
リヴァイアサン読書めも1

ブログ内検索

Lc.ツリータグリスト

カウンター

 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。