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2017-04

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「道成寺」~花の外には松ばかり、暮れそめて鐘や響くらん

能の道成寺についてかいた文章の収録です



道成寺(どうじょうじ)

──作りしつみも消えぬべし。鐘の供養に参らん。

【設定】

舞台は、春、紀伊の国にある道成寺。
登場人物は、シテは白拍子、ワキは道成寺の住僧、後シテは蛇体。
太鼓あり。四番目物。古い名前は「鐘巻」。

【あらすじ】

春爛漫の道成寺では鐘の供養が行われることになりました。
わけあって女人禁制なのですが、白拍子(女の芸人)が現れて、自分の舞を献上したいと言います。
結局、寺の能力は舞をみたさにいいつけに背いて許します。
白拍子は鐘を見て舞いはじめます。
そして人々が油断をしたとき、彼女は古い恨みをはらすために鐘を落とします。人々はその大音響に驚きます。
そこで鐘にまつわる過去の話が住僧から語られます。
昔、ある女に一方的に思われて追いかけられたられた僧がこの寺に逃げ込んで鐘の中に隠れたところ、執心のために蛇になっていた女は鐘を溶かしてその僧を殺した──という恐ろしい過去がこの鐘にはあったのでした。
そう語ると、道成寺の住僧は、再び鐘の前に現れたこの女を調伏するために祈りはじめます。
白拍子から蛇の姿になった女は住僧たちと戦うけれども、やがて調伏されて日高の川へ去ってゆきます。
調伏したことを住僧たちは喜びます。

【鑑賞】

「道成寺」は有名な作品です。
歌舞伎にも「京鹿子娘道成寺」があって、これは能の「道成寺」から派生したものです。
道成寺の物語自体は紀伊の国の古い伝説「安珍・清姫伝説」に基づきその後日談といえるものです。

 では上演される場合どのようなものでしょうか? 
道成寺でもっとも特徴的なのはまず巨大な作り物の鐘です。
演目が始まる直前、この鐘が運び込まれ設置されてゆきます。
観客は舞台が始まる前にそれをずっと見ることになります。
そして鐘が無事つり下げられた後、舞台は始まります。

 住僧が鐘の供養について能力に指示を与えます。
その後、鐘の供養の場に白拍子の女が現れます。

シテ「作りしつみも消えぬべし。作りしつみも消えぬべし。鐘の供養に参らん」



 白拍子というのは当時はやっていた女の芸人です。
烏帽子をかぶって男装して舞うのが特徴でした。
女人禁制に背いて舞を舞うことが許された女は、喜んで舞い始めます。

シテ「花の外には松ばかり。花の外には松ばかり。暮れそめて鐘や響くらん。」



 それにしても、舞を舞うことができることを喜ぶ女の台詞と、舞台上の囃子などの緊迫感のある雰囲気とどこか齟齬があります。
女は、道成寺のいわれを語りつつ舞います。
これが道成寺の見所の一つ「乱拍子」という舞です。
現在「乱拍子」があるのはこの「道成寺」だけです。
他の舞とはっきり異なるのは囃子です。
これ以外の舞では、笛、小鼓、大鼓、(+太鼓)によって囃子が鳴り続けます。
「乱拍子」の場合、時折小鼓が鳴り、さらに時折、笛が吹かれるけれども、舞のほとんどの時間は静寂です。
そしてシテもまた、ほとんどの時間、止まっています。
謡を謡いつつも、わずかに向きを変えたり、足を上げ下げしたり、そして時々、足踏みをします。
その間の詞章は次のものだけです。

ワカ「道成の卿、承り、始めて伽藍、橘の、
道成興行の寺なればとて、道成寺とは名づけたりや」
地「山寺のや」



 十分以上、ほとんど静寂と静止の時間が続いていました。
地謡の「山寺のや」から、囃子の雰囲気が一転し、舞のなかでももっとも激しい「急ノ舞」に続きます。

シテ「春の夕ぐれ来てみれば」
地謡「入相の鐘に花ぞ散りける」



 女は鐘を見て

「思へばこの鐘恨めしやとて」



といい、自らの烏帽子を扇ではたき落とし、鐘をつかむと中に入って鐘を落とします。
大音響に人々は驚き、住僧はこの鐘の伝説を語ります。

 住僧たちは女を調伏するために数珠をすりながら祈ります。

地謡「すはすは動くぞ祈れただ、引けや手ん手に千手の陀羅尼。」



 鐘がつり上がってゆき、中から蛇の姿になった女が現れます。
演出によって面や頭や装束が違います。
僧侶たちと蛇との戦いが後半の見せ場です。





以下、資料とか、書き途中のメモとか収録・・・

資料

安珍・清姫伝説
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E7%8F%8D%E3%83%BB%E6%B8%85%E5%A7%AB%E4%BC%9D%E8%AA%AC

詞章
http://www.kanazawa-bidai.ac.jp/~hangyo/utahi/text/yo149.txt




道成寺(どうじょうじ)
──作りし罪も消えぬべし。鐘の供養に参らん。

■作者
■季節──三月
■登場人物──ワキ・道成寺の住僧/ワキツレ・従僧/
シテ・白拍子/後シテ・蛇体/狂言二人・能力




 能の舞台をみてみます。
 それは板張りで、背後に大きな松の絵が描かれています。向かって左手には橋がかりという廊下があって、その奥が演者の出入り口となる幕が垂れ下がっています。
 道成寺では、演目が始まる直前、作り物の大きな鐘が棒にぶらさげられて、人にささえられて運び込まれます。この後、この鐘を舞台上で数人がかりで設置していく作業が行われます。
 これは舞台装置の設営ですが、がやがやしていません。この動きや作業自体がすでに演目の一部であるかのように洗練されています。
 鐘をつり下げる縄を棒でつかんで舞台の上にある金具にかけ……そんな過程を経て、鐘は舞台の上からつり下げられます。この鐘を設置するための金具は、現在では道成寺の演目のためだけにあります。
 演目がはじまります。道成寺に住む僧がワキです。
ワキ詞章「さる子細有つて久しく撞鐘退転仕りて候ふをこの程再興し鐘を鋳させて候。今日吉日にて候ふ程に鐘の供養をいたさばやと存じ候。」「又さる子細ある間女人禁制にて有るぞ。かまへて一人も入れ候ふな。」
 道成寺の僧(ワキ)は「さる子細あって」といいますが、この時点でこの子細については言及されていません。
 さて、道成寺で鐘の供養の準備をしているところに、一人の女が現れます。彼女がこの能の主人公です。
シテ「作りしつみも消えぬべし。作りしつみも消えぬべし。鐘の供養に参らん。」
 このような台詞と共に登場します。
 彼女は白拍子で、白拍子というのは烏帽子をかぶって舞う芸人です。彼女は鐘の供養に自分の舞を献上したいといいます。寺の能力は舞を見たさに女人禁制のいいつけに背いて許します。
 白拍子はとても喜んで舞い始めます。
シテ次第「花の外には松ばかり。花の外には松ばかり。暮れそめて鐘や響くらん。」
 鐘の供養に舞を舞うことができることを喜ぶ白拍子の台詞と、緊迫感のある雰囲気と、どこか齟齬があります。僧のいう女人禁制の子細なども語られないまま、どこか違和感がありつづけます。




 道成寺とはどんな能でしょうか?
 道成寺には背景となる物語があります。山伏に恋した娘が逃げる山伏を蛇になって追い、山伏は寺の鐘の中に逃げ込むけれども、娘の妄執はその鐘を水のように溶かして、山伏を殺した──というものです。
 能「道成寺」の場面は、その後、壊れた鐘を作り直すところから始まります。

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